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◇隣地越境◇
カテゴリ:成功する不動産売却とは  / 投稿日付:2025/05/23 13:04

こんにちは!H.Eエステートです。

不動産を売却する際に知っておきたい、基礎知識やお役立ち情報をお届けします。

今回のテーマは「隣地越境」について。


毎号、1分ほどで読み終えていただける内容ですので、少しでもお役に立てれば幸いです。





知らぬ間にトラブルに? 隣地越境の法的知識と解決策

隣地との境界線は、穏やかなご近所関係を築く上で非常に重要です。
しかし、知らず知らずのうちに、庭の木や家庭菜園の作物が隣地に「越境」してしまい、思わぬトラブルに発展するケースも少なくありません。
今回は、隣地越境に関する基本的な法的知識と、円満な解決のためのヒントをご紹介します。


「越境」とは? どこまでが許される?

越境とは、文字通り自分の敷地から隣の敷地に物の一部がはみ出してしまう状態を指します。
塀や建物の一部が越境している場合は明白ですが、特に問題になりやすいのが、木の枝葉根っこ、そして農作物の蔓(つる)や実など、自然に伸びていくものです。


ケーススタディ:木や農作物の越境と所有権
具体的に、どのような場合に問題となり、所有権はどうなるのでしょうか?



1. 木の枝葉が隣地に越境した場合

あなたの庭の木の枝が隣の敷地に入り込んでしまった場合、民法第233条によって、隣地の所有者はその枝を切除するよう請求することができます。
しかし、この「切除するよう請求できる」という点がポイントです。
隣地の所有者が勝手にあなたの木の枝を切ることは、原則としてできません。


〇所有権の所在:越境している枝葉であっても、木の幹と一体である限り、その木の所有権はあなたのものです。

□例外:ただし、枝が建物にぶつかって損害を与えている、通行の妨げになっているなど、緊急性があり、かつ所有者による
    対応が困難な場合
には、例外的に隣地の所有者が切除できるケースも考えられます。
    しかし、これは限定的なケースであり、基本的にはまずは所有者への請求が原則です。



2. 木の根が隣地に越境した場合

木の根が隣地に越境している場合も、枝葉と同様に隣地の所有者はその根の切除を請求できます。枝葉と異なり、根は地中にあり
目に見えにくいですが、基礎を圧迫したり、配管を破損したりする可能性があり、より深刻なトラブルになることがあります。


〇所有権の所在:根もまた、木の幹と一体である限り、所有権はあなたのものです。

□注意点:根の切除は、木の生育に大きな影響を与える可能性があります。隣地から切除請求があった場合は、専門家と相談し、
     木の健全な成長に配慮した対応を検討しましょう。



3. 農作物の蔓や実が隣地に越境した場合

家庭菜園などで育てているカボチャやキュウリなどの蔓が隣地に伸びて実がなったり、果樹の実が隣地に落ちてしまったりするケースです。


〇蔓や実の所有権:越境している蔓や、そこになった実の所有権は、原則としてそれを栽培しているあなたのものです。
         隣地の所有者が勝手に収穫したり、持ち去ったりすることはできません。

〇落ちた実の所有権:木から自然に隣地に落ちた実の所有権については、少し複雑です。
          民法では「天然果実」の所有権について定めていますが、判例上、隣地に落ちた果実の所有権は、
          その土地の所有者に帰属すると解釈される傾向にあります。ただし、これはあくまで「自然に落ちた
          場合です。あなたが収穫目的で隣地に手を伸ばして取った場合は、窃盗とみなされる可能性があります。

□トラブル回避のために:農作物の越境は、隣地を汚したり、管理の邪魔になったりすることがあります。
            事前に隣地の所有者と話し合い、落ちた実の扱いについて取り決めをしておくなど、合意形成が重要です。



円満な解決のために

隣地越境は、法的問題に発展する前に、コミュニケーションを通じて解決することが最も重要です。


①早期発見・早期対応:越境に気づいたら、早い段階で隣地の所有者に声をかけましょう。

②丁寧な話し合い:相手の気持ちを尊重し、穏やかに状況を説明しましょう。必要であれば、切除や対策にかかる費用負担について
         も話し合います。

③専門家への相談:自分たちでの解決が難しい場合は、弁護士や司法書士、土地家屋調査士などの専門家に相談するのも有効です。
         境界問題に強い専門家であれば、適切なアドバイスや仲介をしてくれます。

④記録を残す:話し合いの内容や合意事項は、後々のトラブルを防ぐためにも、書面やメールなどで記録に残しておくことを
       お勧めします。



まとめ

隣地越境は、ご近所トラブルの火種となりやすいデリケートな問題です。
しかし、民法上のルールを理解し、何よりも隣人とのコミュニケーションを大切にすることで、多くのケースは円満に解決できます。
もし越境の問題に直面したら、まずは冷静に状況を把握し、相手への配慮を忘れずに対応していきましょう。

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本日は以上となります。

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